研究科について

教育目的・教育課程

1.教育目的

研究科

 本研究科では,学士教育で培われた基盤的能力や工学系及び農学系の専門的能力をさらに高めるとともに,より広い自然科学系の視野を持つことにより,社会の変化に対応しイノベーションを生む柔軟性と,人口減少などで顕在化する地域の諸問題を解決できる企画力を備え,グローバル化に対応できる高度な応用科学技術系人材の養成を行います。

生命科学・化学専攻

 生命科学や化学の分野に強い関心を持ち,生命現象を分子レベルで究明することで得られる学理や技術を基盤に,生命機能の応用,生体関連分子の創製,生物生産物質の活用,食環境や健康の向上等に取り組み,人類の幸福に貢献できる専門職業人及び研究者を養成します。

生物生産環境科学専攻

 分子から生態系までの生物学の幅広い階層とそれを取り巻く環境についての学理を追求し,その理論と技術を持続可能な生物生産や人間社会を含む生態系の保全・修復に適用することで,人類の幸福に資することのできる高度専門職業人及び研究者を養成します。

環境社会基盤工学専攻

 地域の社会基盤の整備及び維持管理並びに地域社会を災害から守るための防災・減災システムの確立のため,自然環境や社会環境に配慮しながら,環境社会基盤工学の技術力や,各種システムを最適に構成・運用できる広い視野と高度の専門的能力及び倫理観を持つ人材を養成します。

物質・ものづくり工学専攻

 物質化学又は機械工学を基盤に,物質・ものづくりに関わる諸課題をミクロからマクロまでの視点で俯瞰し実践的専門知識と創造力をもって解決する能力を育成し,「ものづくり」におけるイノベーション技術の創成に資する高度専門職業人及び研究者を養成します。

知能理工学専攻

 情報系技術者に求められる社会のニーズに対応するため,数学,物理学,知能情報学,知能機械の各分野の力を結集し,理学と工学の分野横断的なカリキュラムのもとで,理論と応用を両輪とし,オリジナルかつ柔軟な発想によりイノベーションを起こすことができる研究者・技術者を養成します。

エネルギー工学専攻

 エネルギーの高度利用と革新的エネルギーシステム開発,それらを可能にする電子材料の探求・開発を機械系,電気系,化学系の多方面から捉えた新しいエネルギー工学の教育研究を行い,グローバルなエネルギー問題の解決に資する高度専門職業人及び研究者を養成します。

自然科学技術研究科の教育目的を定める細則 第2条、第3条抜粋

2.アドミッションポリシー

研究科

 本研究科は、生命科学、環境科学やものづくりに強い関心を持ち、これらの分野に関連する国内外の産業界、行政で高度専門職業人として活躍できる資質を持つ学生を受け入れます。この技術・科学を中心に諸問題を解決する分野では、特定の分野の専門性を拡張できる柔軟性や、新しい概念などを生み出す創造性、さらには世界とのつながりの中で活躍できる国際性を身に付ける必要があります。これに対応するために、下記の①から③の意欲を持ち、積極的に学習する者の入学を期待しています。

【求める学生像】
①最先端技術を中心により深い専門知識を極めるとともに、社会の動きに柔軟に対応するため、幅広い知識を取得したいとする意欲
②専門分野を中心とする諸課題に対して、新しい概念、仕組み、革新を生もうとする意欲
③国際化が進む世界に対応し、グローバルな視点を持ちながら地域の問題に取り組もうとする意欲

生命科学・化学専攻

 本専攻は生命科学や化学の理解を通じて生活の質の向上に貢献したいと考えています。そのため、生命科学や化学に興味を持ち、将来、医薬品、化成・化粧品、食品、環境などの産業界で高度専門職業人として活躍できる資質を持つ学生を受け入れます。

生物生産環境科学専攻

 生物生産環境科学専攻は、持続可能な生物生産や人間社会を含む生態系の保全・修復に貢献したいと考えています。そのため、科学者としての高い倫理観を備えつつ生物生産科学や環境科学に強い関心を持ち、これらの分野に関連する国内外の生物系産業・行政・研究機関などで高度専門職業人として活躍できる資質を持つ学生を受け入れます。

環境社会基盤工学専攻

 本専攻は、自然および社会環境の深い理解に基づき、環境と共生し、持続可能かつ安全・安心な社会づくりへの貢献を目指す学生を求めています。
 このためには、以下の資質が必要となります。
①工学および社会基盤工学分野の基礎知識を習得しており、さらにより幅広くより深く専門知識を得ようとするもの
②社会状況の変化に柔軟に対応できる素養を身につけようとするもの
③新たな社会課題を発見し、その課題解決にチャレンジする意欲をもつもの
④社会に貢献するための情報発信力、コミュニケーション力、リーダーシップ力を併せ持つことを目指すもの

物質・ものづくり工学専攻

 物質・ものづくり工学専攻では、物質化学と機械工学を機能的に連携させ、高度化する社会ニーズと物質・ものづくりのイノベーションに貢献できる、実践力と創造力に富んだ人材の育成を目指します。そのために物質化学または機械工学の専門知識を有し、これらを応用して、広い視野から豊かで活気ある社会の構築に寄与しようとする強い意欲を有する人材を求めます。

知能理工学専攻

 数学、物理学の基礎学問はもちろん、情報工学、電子機械工学などの一つ以上の学部教育を受け、各専門分野の深化と他分野領域の知識拡大に意欲を持つ学生を歓迎します。幅広く「自然」「社会」「人間」のさまざまな現象に興味を持ち、そのメカニズムの数理的解明や工学的応用を志す人を受け入れます。

エネルギー工学専攻

 本専攻では、人類の課題であるエネルギー環境問題の解決に貢献する意欲のある学生を求めます。機械系分野、化学系分野、電気電子系分野、自然エネルギー分野にわたるエネルギー学の専門知識を俯瞰・集積・統合して、エネルギー環境に関わる複雑で困難な課題を的確に捉え、エネルギーの高度利用や革新的エネルギーシステムの開発を担う意欲があり、実践力と創造力に富んだ学生を求めます。

3.カリキュラムポリシー

研究科

 各専攻では、先端技術分野の教育などを中心として、高度な技術者・研究者を育てます。また、変化の激しい社会の要請に柔軟に対応できるように、専攻間横断型の共通科目などを用意し、幅広い学際的知識と境界領域を含めた高度な専門的学力およびデザイン・マネジメント能力が習得できるよう、教育環境を提供します。

①専門分野とその周辺分野の知識を身につけ、自身の取り組む課題を広範な学問体系の中で客観的に位置づけ、的確に解決できる素養を身に付ける。【高度な専門性】

②研究活動などを通して、課題を自ら見出し、その解決方法を設計し、それを着実に実践できるようにする。【探究心、デザイン・マネジメント能力、問題解決力】

③英語で発信されるものを含めて情報を正確に理解・活用し、自らの考えを日本語あるいは英語論文等の形でまとめ、発信することができるようにする。【国際性、論理的思考力】

生命科学・化学専攻

 本専攻は、自然科学技術研究科におけるカリキュラムポリシーに加え、生命科学・化学専攻に必要な科学的判断力、思考力、国際的なコミュニケーション能力を備えた高度技術者と研究者育成のためのカリキュラムを実施する。すなわち、生命科学と化学を基盤とした最先端の専門知識や技術を習得させ、人類をとりまく生活環境および健康の維持・増進にそれらを活用するために不可欠な新たな医薬品・食品・工業製品などを生産する技術に関する最先端知識の修得と研究、ならびに国際的に通用しうる実践教育を通じた問題解決能力を養う。

生物生産環境科学専攻

 生物生産科学と環境科学に関する学部教育を基礎とし、持続的な生物生産と食料の安全・安定供給、生物資源の保全、生態系の保全・修復に活用するための高度な専門知識と技術の習得を目的として、応用植物科学、応用動物科学および環境生態科学専攻の3領域において体系的に教育する。

環境社会基盤工学専攻

 本専攻は、ディプロマポリシーを踏まえ、以下の方針に沿ったカリキュラムを編成する。
①環境社会基盤工学のより幅広くより深い知識を主体的に習得して、学士課程で培った基礎知識を発展させる。
②習得した知識を実践的に活用し、協働して課題を解決する能力を養う。
③環境社会基盤工学に関する課題を国際的な視野にたって俯瞰的にとらえる能力を身につける。
④社会に貢献できる技術者としての論理的な説明能力や討論力、倫理観を高める。
 本専攻では、入学者が自らのキャリアパスを設定し、その目標に向かって計画的な修学が可能となるよう、支援を実施する。

物質・ものづくり工学専攻

 本専攻は、自然科学技術研究科におけるカリキュラムポリシーに加え、物質・ものづくり工学専攻に必要な専門分野、実践能力、コミュニケーション能力を備えた高度専門職業人と研究者育成のためのカリキュラムを実施する。即ち、ものづくりの基盤となる新規材料の開発およびこれらを新製品に応用するために不可欠な設計技術・生産加工技術に関する最先端知識の修得と研究、ならびにものづくり実践教育を通じた問題解決能力を養う。

知能理工学専攻

 最先端知能情報・機械システムの構築には、基礎的な物理現象に立ち返り、全く新たな利用法を模索することが求められる。また、人間環境を学ぶため、「人の機能を補完する」メカトロニクス、ロボティクス、ハプティクス技術、「人と計算機を繋ぐ」マンマシンインターフェース、バーチャルリアリティ、コンピュータビジョン、音声・画像処理技術、「人を知る」生体信号解析、生体機能解析、サービス工学、ヒューマンエラーなどに関する知識と技術がそれぞれ必要である。本専攻では、それらを支えるための数学、物理学、計算機科学などのより専門的知識、および工学的応用を図るためのデザイン教育について深く、横断的に、体系的に学べるカリキュラムを用意する。

エネルギー工学専攻

 本専攻は、岐阜大学大学院自然科学技術研究科のカリキュラムポリシーに加え、エネルギーの高度利用や革新的エネルギーシステムの開発を担う技術者や研究者を育成するための専門教育カリキュラムを編成する。エネルギー変換・貯蔵・輸送・制御・利用および大気・水環境対策の技術に関して、エネルギー変換領域、電気エネルギー領域から捉えた新しいエネルギー工学の学問体系に基づいて、技術者・研究者を育成するための専門教育カリキュラムとなる講義、演習、デザイン思考教育、インターンシップ、研究、発表を実施する。

4.ディプロマポリシー

研究科

 本研究科では、以下のような能力を備えた理工系人材を輩出します。
①高度な専門分野の知識の習得及びその周辺領域の知識体系を身につけ、それを応用する能力
②新しい価値や概念を創造するデザイン・マネジメント能力
③社会のグローバル化に対応できる能力

生命科学・化学専攻

 本専攻は生命科学と化学を基盤とした最先端の専門知識や技術を習得させ、人類をとりまく生活環境および健康の維持・増進にそれらを活用するために、また新たな医薬品・食品・工業製品を生み出して生活を豊かにするために、必要とされる科学的判断力・思考力・実践力、国際的なコミュニケーション力・行動力を備えている人に学位(修士(工学)あるいは修士(応用生物科学))を授与する。
 本専攻は、修了者の上記能力の習得度・達成度を適切に評価し、厳格な学位認定を行う。

生物生産環境科学専攻

 生物生産科学と環境科学に関わる高度な知識と技術を習得させ、持続的な生物生産および生態系の保全・修復に活用するための高度専門職業人としての科学的思考力と実践力を保証する。
 本専攻は、修了者の上記能力の習熟度・達成度を適切に評価し、厳格な学位認定を行う。

環境社会基盤工学専攻

 本専攻は、以下のような能力を備えた修了生を輩出する。
①自身の専門分野の知識を有し、それを実践的に応用できる能力
②環境社会基盤工学に関する課題を自ら発見し、協働して解決できる能力
③社会に貢献するための情報発信力、コミュニケーション力、リーダーシップ力、高い倫理観
④自然環境や社会環境に配慮し、持続可能かつ安全・安心な地域づくりに貢献できる能力
 本専攻は、修了者の上記能力の習熟度・達成度を適切に評価し、厳格な学位認定を行う。

物質・ものづくり工学専攻

 物質・ものづくり工学専攻は、岐阜大学大学院自然科学技術研究科のディプロマポリシーに掲げた能力に加え、更に以下のような能力を備えた修了生を輩出する。
①物質化学分野または機械工学分野における専門知識を基盤とし、物質・ものづくり工学の実践的専門知識を有し、それを応用する能力
②物質・ものづくり工学に関わる諸課題をミクロからマクロまでの視点で俯瞰し、高度な専門知識と創造力をもって解決する能力
③豊かで活気ある社会の構築に貢献する物質の創造とものづくりのイノベーションを、高度な専門知識と創造力をもって推進する能力
 本専攻は、修了者の上記能力の習得度・達成度を適切に評価し、厳格な学位認定を行う。

知能理工学専攻

 本専攻は、岐阜大学大学院自然科学技術研究科のディプロマポリシーに掲げた能力に加え、更に以下のような能力を備えた修了生を輩出する。
①数学、物理学、計算科学に関する深い素養と知識、およびそれを活用しての高度な数理モデリングやコンピュータシミュレーションを行う基盤的能力
②次世代型知能情報処理技術、人間との共生を目指したロボティクス、人間工学を基礎とした高度マンマシンインターフェース、医療や福祉に貢献する知能メカトロニクス、計算機支援診断、コンピュータ援用知能生産システム、ビッグデータ解析などのデータサイエンスなどに関する研究を実施することにより得られる専門的能力
③社会環境、人間環境、情報技術などを統合させ、オリジナルかつ柔軟な発想によりイノベーションを起こすことができる創成的能力
 本専攻は、修了者の上記能力の習得度・達成度を適切に評価し、厳格な学位認定を行う。

エネルギー工学専攻

 本専攻は、岐阜大学大学院自然科学技術研究科のディプロマポリシーに掲げた能力に加え、更に以下のような能力を備えた修了生を輩出する。<
①機械系分野、電気電子分野および環境エネルギー分野のそれぞれの専門知識を有し、それを応用する能力
②人類の課題であるエネルギー環境問題に関する課題を発見し、それを解決するための方法を主体的に探索する能力
③広範囲な分野を多角的に俯瞰しながら、エネルギー環境問題に関わる課題を、グローバルな視点と創造力に富んだ実践力で解決できる能力
 本専攻は、修了者の上記能力の習得度・達成度を保証するために厳格な学位認定を行う。